2016/05
就職、結婚、といった大きな場面に留まらず、人生の様々な場面で語られるようになった勝ち組、負け組という言葉。ですが、全てにおいて勝ち続けている勝ち組もいなければ、負け続けている負け組もいません。
これだけ使えるジャンルが広がった言葉となれば、きっとどこか別のジャンルでは勝っていることもあるハズだからです。例えば、スポーツでは負けても勉強では勝ったと言うように。
ただ、完全なる負け組を自称するAさん(39歳:男性)はこう否定します。
「負け組っていうのは、自分自身が張るレッテルなんです。自分が勝ちたいジャンルで勝てなければ意味がない」
Aさんは現在一部上場の優良企業に勤める会社員。古くから言われている世間一般の基準で言えば、紛れもなく勝ち組であるはずの彼ですが、熱っぽく持論を語る一方で、表情の裏には何か鬱積したものが感じられます。
「僕は真の負け組だから分かるんです。恋愛なら恋愛、仕事なら仕事。それで勝ちたいんだったら、それで勝たなきゃダメ。どうでもいいことで少し勝ったところで意味がない。その時は気分が良いかもしれませんが、持続しません。サッカー選手が余暇にやったゴルフでライバルに勝ったところで意味がないですよね。それと同じことです」
少々、論理が飛躍し過ぎている気はしますが、言いたいことは伝わってきます。特に勝った記憶が持続しない理由については、なるほどと頷けるところがありそうです。
「ネット等で学歴とか年収のことで、勝った負けたの話がかなりの頻度で話題に上がりますよね?でも、気が付いたんです。自分がどうでも良かったら、そんなことは気にもならないことなんですよ。本当は可愛い彼女が欲しいヤツが、可愛い彼女がいるヤツに学歴で勝っていても、心のどこかでは敗北感を感じていると思うんです。無理して納得させているだけなんです。もちろん、学歴で勝つことが自分のアイデンティティだという人は別ですけど」
実は誰もが知っている超有名国立大学を卒業しているAさん、それでも自分は絶対に負け組だと言います。
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