遠足のおやつの上限価格は税込で考えるべきか否か?
2016/01
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遠足のおやつの上限価格は小中学生にとって由々しき問題だ。税込みか?税抜きか?現役教師の話によれば、消費税初導入から十数年たった今でも、教育現場では統一の見解がなく、また、上限価格をどう表現するかも、現場の教師に一任されているのが現状なのだそうだ。消費税増税の今、早急な対策が求められている。
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2017年4月から消費税が10%に引き上げられることが、すでに決定しているかのように見えたせいで、古くから小中学生の間に残されていた問題(注)が再浮上している。
遠足のおやつ代の購入上限は、税込なのか?はたまた税抜きなのか?
1989年4月、消費税法の施行により全国の小中学生に激震が走った。これまで通りのおやつは300円までの言い方が続くなら、遠足のおやつ代の上限価格は実質引き下げになるのではないか……? と。
実際、消費税導入後に金額表現を曖昧なままにした一部の学校では、「先生がおやつは300円までって言っただろう! 消費税分オーバーしてるじゃん!」と吊るし上げを受ける生徒が多発したという。
こうした事態が起きたのは、日本では過去に例のなかった税制度の導入により、教師たちの金額の表現方法に差異が生じてしまったのが主な原因と言われている。現在に至るまでその弊害は続いており、今回のさらなる増税の影響でこの問題が再燃化した格好だ。
求められる見解の統一
勤続26年、公立小学校5校で教鞭をとった経験を持つ現役教師に取材を行ったところ、当時から現在まで続くおやつの上限価格の表現の仕方は大きく三つに分けられるという。
三つの内訳は、300円以内という『古くからの表現』と、税込で300円という正確だが小中学生には『やや難解な表現』、そして300円に消費税率を足した数字(税率8%であれば324円)を伝えるという『親切な表現』だ。
おやつ金額は遠足の生命線……
こうした時にこの現役教師は出来うる限り『親切な表現』をする立場をとるそうであるが、そもそも税抜で考えるのか、税込か、という根本的な部分での教師ごとの考えの違いもあって、生徒間の混乱を完全に鎮めることは難しいと肩を落とす。
さらに学校全体の対応に関しても、税込税抜きに関しての見解をきちんと統一させる学校とそうでない学校があり、統一見解がない学校ほど混乱が生じやすいそうだ。遠足のおやつ代においては憲法的な役割を持つ、しおり等での表記さえも曖昧なことがあるという。
いずれにせよ、教育現場での臨機応変な対応にとりあえずは任せているというのが現状のようだ。
とはいえ、今後20%、30%と消費税増税が続けば、そんな悠長なことは言っていられない。
税込で300円と税抜で300円では、買えるおやつのクオリティに時代ごとに大きな差が出ることは明白だからだ。育ちざかりの小中学生達に遠足を心行くまで楽しんでもらうためにも、社会全体での見解の統一が早急に求められている。
注:遠足のおやつ代はスーパーなどで購入したものを持ち帰るのであれば、軽減税率の対象のため8%に据え置かれる見込みになりそうでした。この記事を掲載後、国会で急に話が変わってしまったため、冒頭の文章がおかしくなってしまったことをお詫び致します。
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by newsassort編集部