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両手を広げたサラリーマン男性

その日社長が夜逃げした。とある不動産会社に勤めていた元社員の当日の記憶

2016/09

その日は突然やってきた。TVドラマのように借金取り達が大挙しているわけでもない。出勤の朝、そこに広がっていたのは普段と全く同じ光景だった。

「デスクに着いて、パソコンの前で朝ごはんを食べながら、いつも通りにメールチェックとネットでニュース記事を読んでいました。業務開始前だったので……」

そう述懐してくれたのは、かつて小さな不動産会社で営業担当を勤めていた朝倉隆夫さん(仮名)である。そこでは通常、役員、事務のパートの女性を含めて20数人が勤務していた。

「上司を含め、他の社員も何も知らなかったみたいでしたね。今になってみると、出勤したら、ナニワ金融道みたいにシャッターが閉まっていて、債権者が押し掛けてるみたいな方が、分かりやすくてよっぽどマシでしたよ」

朝倉さんが異変に気がついたのは、役員達がいる別室の方に重要ファイルを閲覧しに行こうとした時だった。

(あれ?珍しく常務と専務が両方会社にいなくない?)

普段から社長は午前中は不在にしていることが多かったそうで、さほど気にならなかったが、常務と専務はほぼほぼ二人とも朝早くから在社しており、どんなことがあってもどちらかは必ず在社していた。ともに社員達より遅く出勤するのが稀なほどだ。

(困ったな。これじゃあファイルが見られないじゃないか……)

それは、彼のいた会社では『金のなる木』とも言える非常に重要なファイル。そのため、通常は常務か専務から鍵を受け取り、その場で閲覧する手はずになっていた。

その時だった。血相を変えて、常務が会社に飛び込んできたのは……

「社長いないよね?いないよね?会社に来てないよね?」

※この記事の掲載画像は全てイメージ画像です。
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by newsassort編集部

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