交番
貸してくれそうに見えて貸してくれないという点では、こちらも銀行に引けを取らないだろう。隠しカメラや盗聴器をしかけられるかもしれないという防犯上の理由の点でも同じだ。
全国各地に細かく点在しており、ここでトイレが借りられれば、これほどまでに便利な場所は他にないと思われるが、警察官に懇願してもだいたいは、近くのトイレがある場所を案内されるだけで終わる。
稀に良い人に当たると、貸してくれる場合もあるといった情報もあるが、定かではない。ただし、警察署は基本的に借りられるらしい。なんだこの違いは?
【避けられがちな公衆トイレ】
自由に使って良いはずの公衆トイレであるが、入る時にかなりの勇気を要する。そのため、自主的に借りない選択をしてしまう人は多い。でも、背に腹はかえられない。ここで勇気を出さないと別のモノが出ちゃうぞ。
郵便局
良く考えれば分かることだが、銀行がダメなんだからそりゃ郵便局も借りれない。金を中心に扱う業務を行っているところは、だいたいが無理だと思っていて差支えないだろう。
郵便物も盗難にあったり、紛失してしまったりしたら大問題だ。世の中に悪いヤツがいるせいで、本当にトイレを使いたい人が割りを食うのは、実に残念なお話であるが、大事な財産や郵便物を扱う場所の防犯意識は、高すぎるぐらいでちょうど良いのかもしれない。
自分の身から出る郵便物は、別の場所のトイレから送って下さいというわけだ。まぁ、そこまで丁寧に言われてしまっては仕方がない。事情は十分に分かる。この件は水に流そうではないか。
トイレを貸さないと断言しているコンビニ
一般的にコンビニは『トイレを気軽に貸してくれる場所』と認識されている場所だ。その認識は間違っていないし、ほとんどの場合は通用する。だが、店側が張り紙等で『トイレは貸していません』と断言している場合は例外だ。
都内や繁華街内にある店はその傾向が強く、防犯や客とのトラブル予防のためにそのような措置を施すことが多いそうだ。また、利用者が多いとコストがかかるというのも関わっている模様。これに関しては店がその立場を貫いている以上どうしようもない。
お子さんが急になどの場合でも、ダメ元で店員さんに聞いてみるぐらいで、「無理です」と言われたら、素直にあきらめた方が良い。これは仕方のないことだ。とはいえ、こうしたお店の店員さんは、近くのトイレを借りれる場所を知っている人が多いので、それを聞いてみるのは大丈夫だろう。
本屋・レンタルビデオショップ
なぜだか分からないが、立ち寄ると不思議な便意が芽生えてくる場所である。どんなところよりも、トイレを常備しておいて欲しい気さえする。何度トイレのために借りたかったDVDをあきらめたことだろう。
しかしながら、ビルやショッピングモールのフロア内にトイレがある場合を除いては、ほとんどと言って良いほどトイレを貸してくれない場所だ。チェーン展開をしている本屋、レンタルビデオ店ともなると、仮にビルテナントとして入っていても、あえてトイレがないフロアを選んでいるフシすらある。この徹底ぶりはおそらくは万引き防止のためだ。
一刻も早くトイレに行かなくてはと、ショッピングビルに駆け込んだはいいが、そのフロアには本屋があった……もうこれは悪い予感しかしない。
そもそもトイレがない店
ない袖は振れないのと同じで、ない便座は上げることも下げることも出来ない。トイレが全くないお店というのは、世の中に数多く存在していて、そこで無理に借りようったって、無理なものは無理だ。
ただ、そういった店の方はトイレに関するトラブルを結構経験しているものらしく、とある方は、「トイレがないので、お貸し出来ません」と言ったのにも関わらず、「嘘をつくな!」と言い合いになった経験が何度もあるとのこと。
焦る気持ちは分かるが、こういう振る舞いだけは絶対にしてはならない。
自分はあくまで借りる立場
さて、トイレを借りることが難しい場所についての知識は身についただろうか?借りれない場所を事前に知っておけば、少なくとも緊急時に無駄足を踏むことは避けやすくなるだろう。
しかしながら、忘れてはいけないのは、自分はあくまで借りる立場の人間であるということだ。貸してくれる、くれないの話は相手が自分の都合で判断しても何ら問題のないことなのである。この自己責任の時代において、トイレを貸してくれる気持ちがある場所が残っているだけでもありがたい話ではないか。
トイレを無事に借りられた時のあの圧倒的な安心感は、おそらくそういった部分も孕んでいる。借りることが難しい場所の事情も熟知した上で、あの安らかな気持ちを存分に味わう。真摯な気持ちでトイレを借りようとする人間とは、かくありたいものだ。