ブラックコーヒーは意識高い系の飲み物か否か?
私「ブラックコーヒーって別に意識高い系の飲み物じゃないですよね」
先輩 (以下、『先』)「意識高い系ではないな。眠いとき意識は回復するけど」
私「ですよね、ただ出だしからうまいこと言ったと思ってるところは、少し意識が高そうですけど」
先「…………」
私「でも、ネットだと意識高い系って言われてるんですよ」
先「じゃあ、そうなんじゃない?」
私「でも先輩意識低いじゃないですか」
先「いや、おれは意識高い系だよ。パソコン持ってスタバ行くもん。キャラメルマッキャートとか飲むもん」
私「キャラメルマキアートですよ。甘いの飲めないんじゃなかったんですか?あと、スタバ行ったからって意識高い系なわけじゃないと思いますよ」
先「それしかメニュー知らないんだよ、迷って後ろの人待たせると悪いし」
私「あ、その優しさは、ちょっと普通に意識高いかも……」
先「だろ?」
私「パソコンの種類はなんですか?」
先「いつもの奴」
私「ああ……あのVISTAの……話がブラックからそれてきたんで話を戻しましょう。でも、スタバじゃブラック飲まないわけでしょ?」
先「え、スタバ、ブラックあるの?」
私「ありますよ。エスプレッソとか結構おいしいですよ」
先「へー知らなかった」
私「……っていうか、飲む場所はどこでもいいんですよ。ブラックって別にただの飲み方の選択肢のひとつでしかないじゃないですかって話をしたいんです」
先「ぶっちゃけ最初は形から入ったけどね、ブラック飲み始めたのは、それに慣れすぎちゃって甘いのとかミルク入れたの飲まなくなったってだけで」
私「そもそもコーヒー好きですか?」
先「うーん嫌いじゃないって感じかな。ペットボトルの奴ならスーパーで1ℓ100円ぐらいで買えるし、沸かして作るのめんどくさいじゃん。そういや、ミルクとかシロップ入れるのがめんどくさいから、ブラックになったっていうのもあるかな」
私「そういうお話を聞くと少し自信が出てきます。やっぱり先輩意識低いですよ」
先「……おまえだってきっと似たようなもんだろうよ。お持ち帰りのコーヒー片手にした如何にもって姿は、一度もみたことないぞ。おれOLさんのあれ可愛くて好きなのに」
私「やったことありますよ、何なら今度やりましょうか」
先「いや、いい」
私「ブラックコーヒーがっていうよりは、やっぱり飲み方の問題なんですかね?」
先「よくわかんねーけど、別にネットの奴らも面白がって言ってるだけだろ、意識高い系ってのも悪いことしてるわけじゃないし、意識ないよりはいいんじゃない。ちゃんと生きてんだから」
私「それはわかってますけど、先輩や私みたいな人間がいくら~系がつくとはいえ、意識高いって思われるのが嫌で……まぁ私ってのを付け足したとはいえ、少なくとも先輩よりは意識高いつもりでいますけど」
先「失礼だなぁ、だから何度も言ってるけどおれは結構意識あるぞ」
私「じゃあ、もっと先輩らしくきっちりした意見をくださいよ」
先「ま、今まで面倒くさかったから適当にしゃべってたけど、俺が個人的に思うに、ブラックコーヒーは意識高い系の飲み物ではないな」
私「おっ!と、言いますと?」
先「ほら、こだわる人は豆を選んだり高価なドリップする奴買ったりして、結構大変じゃん。だから、意識じゃなくて敷居が高い系の飲み物だよ」
私「……もう一回チャンスあげますんでやり直してください」
先「……ごめん、完全に意識飛んでたわ」
私「…………いえ、やっぱりもう、いいです。コーヒーのブラックが意識高い系だろうと何だろうと、悪い意味でどうでも良くなれました。先輩のおかげで。ぼちぼち忙しいのにありがとうございました。
先「そう? じゃあお礼にコンビニでダイエットコーラおごってよ」
私「そこぐらいは綺麗にコーヒーで締めましょうよ……」
この時は適当過ぎる先輩にイラつきましたが、無意識にブラックコーヒーをすすりながらこの記事を書いている自分に気づいたことで、彼の言ってることもあながちズレてはいないんじゃないか?と思うようになりました。