2016/01
恵方に体を向けながら、一言も口を利かずに太巻き寿司を食べ終えなければならない謎の節分イベント、恵方巻き寿司。 ひとたび、節分の日にこの謎の行を終えれば、その人間には幸運が訪れるという。
恵方巻き寿司の起源にはいくつか説があり、確定的な説は今現在も出てきていない。 江戸時代に商売繁盛と厄除けの意味を込めて太巻き寿司を食べたのがその始まりだとするのが、もっとも有力な説ではあるものの、どの説も根拠に乏しいものになっているのが現状だ。
冷静に考えれば、商売繁盛と厄払いのために太巻きを食べ出ることに一体何の関係があるのかさっぱり分からないあたりも、起源がふんわりとしたものになっている原因に、一役買っているところがあるだろう。
それゆえ、その後の時代の流れも手伝って、この恵方巻き寿司は広告的な用途で広く活用されていくことになったのかもしれない。理由は良く分からないけど、何となく縁起が良いっぽいから商売に利用しよう、というわけだ。
こうした流れは江戸末期から現代近くまで続き、そしてその結果、現在においては発祥の地と言われている大阪以外であっても、節分の日にはスーパーでもコンビニでも、大量の恵方巻きずしが並ぶ光景が見受けられるようになるまでに発展していった。
まだまだ日本の文化として定着したとまでは言えないところはあるが、単に広告効果の側面から言えば、これは万々歳の結果である。
そう考えると、由来となっている「商売繁盛を願って」の部分は案外的を射ているのかもしれない。太巻き寿司メーカー的にはおかげでかなり儲けられたはずだ。
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