1.アルコール依存症
自らの意志だけではアルコールに対するコントロールが出来なくなってしまう依存症。寂しい時や辛い時にお酒を飲むと少し心が明るくなったり、晴れやかになったような気がすることがあるが、その薬効を繰り返し求めるうちに依存状態に近づいていく。
いわゆるアル中である。
大学生が一気飲みをして救急車で運ばれたりしているのは急性アルコール中毒と呼ばれるもので、この依存症とは異なる病気だ。アル中の略語はこちらの方ではなく、本項で話題にあげているアルコール依存症の方に適用される。
一人暮らしを始めた大学生、新社会人などは、一人で晩酌等を続けたりしている内にこの依存症にかかってしまうことが多い。とりわけ、地元を離れて上京してきたタイプは友人がなかなか出来ない葛藤から、お酒に逃げ込むパターンにハマってしまいがちだ。
お酒は友達にはなってくれない。朝から晩まで酒浸りでいるぐらいなら、その時間を友達を作るために充てよう。
2.ギャンブル依存症
ギャンブルを適度なタイミングで止めることが出来ず、四六時中ギャンブルのことばかり考えるようになってしまう依存症である。借金をしてまでギャンブルをするようになったら、もうほとんど依存症になっていると考えて良いだろう。
これは男子大学生が大変陥りやすい依存症で、だいたいのきっかけは先輩や友人からのお誘いである。入口は、ごく身近にあるパチンコ、パチスロであることが多い。
たまたま好奇心で手を出したパチスロで数万円勝ってしまい、そのことが忘れられずにやがて一人でも行くようになる。趣味の範疇でやっている内はまだ良いが、時間の使い方がそれ一つになると、依存症が顔をのぞかせてくる。
パチンコ店の営業時間は長く、一度かかると抜け出すことが非常に難しい。コンビニのようにどこにでも存在しているからだ。
また、これよりは数は少ないものの、競馬、競艇、競輪、オートレース、といった公営ギャンブルにハマるタイプもいる。
こちらは一回に負けられる上限が青天井であるため、パチンコ、パチスロが緩やかに破滅していくのと比べると、破滅の速度が圧倒的に早いのが特徴だ。
いずれにせよ、余ったお金以外で遊ぶようになったら依存症まであと少しだ。自分はギャンブルには向いていないと、潔く足を洗った方が良いだろう。
3.買い物依存症
買い物をするという行為自体に快楽を見出し、自分にとって不必要なものであってもひたすら購入を続け、買い物がやめられなくなってしまう依存症である。
女性の割合が高い依存症で、「気晴らしの買い物」がエスカレートして依存症になるケースや、デパートなどでのお客様扱いが嬉しくて、止められなくなってしまったといったケースが多い。
空いた時間にショッピングというのは、ほとんどの女性が健全に行っていることであろうが、お金のことも考えずに不必要な買い物をするようになると、依存症に片足を突っ込んだ状態となる。
一人暮らしの女性の中には寂しさを大量の服やバック、宝飾品で埋めようとするタイプがおり、行き過ぎた買い物を指摘してくれる人物がいない場合はその進行が速いと言われている。
自分へのご褒美も悪くない話であるが、やり過ぎていつの間にかそれが借金と言う名の罰へと変わってしまっては全く意味がない。「ついつい買いすぎちゃった」で済んでいる間に、今一度本当に必要なものだったのかを振り返る癖をつけると、良い予防になるだろう。
とにかく一人暮らしは金がかかる。ご利用は買い物に関しても計画的に行わなければならない。
4.恋愛依存症
愛情が度を超え、交際相手に異常なまでに執着心を抱いてしまう依存症である。これは男女を問わずかかりやすい依存症で、時にストーカーやDVといった反社会的行為にまで発展する。
孤独なら孤独で寂しく、誰か傍にいたらいたでそれを失うのが怖いということであろうか。
仕事場にまで執拗に電話をかけてしまったり、LINEやメールの返信がちょっとないだけで家にまで押しかけてしまったりと症状は様々であるが、一方のみがそのような感情や行為を押し付けるケースが多く、場合によっては彼氏彼女ではない片思いの相手に対して、そのような振る舞いを行ってしまうケースもある。
新生活で溜まったストレスと一人暮らしの寂しさを埋めるには、恋愛は持って来いの解消法に思えるが、度が過ぎればそれは依存に姿を変えることになってしまうようだ。
自分を見失ってしまうことがあるのが恋愛の常とはいえ、自分のためだけに相手が存在しているわけではないことを強く自覚することがこの依存症を避けるには肝要である。
5.インターネット依存症
まともな社会活動が送れなくなるほど、インターネットに没頭してしまう依存症である。
末期になると、完全に現実世界から隔絶し、インターネットの世界だけにしか生きがいを求められなくなり、生身の人間との一切の関わりを断った、所謂『引きこもり』になってしまうこともある恐ろしい病だ。
依存の入口となる媒体もオンラインゲーム、SNS、掲示板と身近なものばかり。一人で寂しい、つまらない、そんな時パソコンやスマホを弄れば、すぐにそれらを利用することが出来るのが今の時代である。
うまく使えばこんなに便利なものはないが、その利便性ゆえに扱い方を間違えると、知らず知らずのうちに依存症になっていく。
ただし、「休日はずっと趣味のネットをしている」というのは依存症ではない。コミュニケーションツールとして人より頻繁に利用するというのも、また違う。
この当たりの線引きが非常に難しい依存症であることは確かだ。
インターネットの世界も現実世界の一部であり、そこに逃げ込むことが一概に依存につながるとは言えない。だが、本当に『そこだけ』になってしまうと、依存症としての性質を帯びてくる。
新生活、初めての一人暮らし…
「インターネットの世界の中だけで生きるために、新たな人生のステージに立ったわけではない」
もし、この便利なツールに病的にハマってきているなと危機感を覚え始めたら、その時は自分にそう言い聞かせることが大切である。
やばいと思ったら、早めに家族や病院へ
色々とネガティブな話ばかりをしてしまったようだが、実際に依存症になる人はそこまで多くない。きっと、だいたいの人がどうにかこうにか、ストレスや寂しさを乗り越えることが出来るだろう。
ただ、もし少しでも「やばいな」と感じる瞬間があれば、すぐに家族や病院に相談して頂きたい。ごく初期の依存であれば改善できる可能性はずっとあがるし、調べてみたら全然問題なかったということだってある。
依存症にならないために重要なのは、自分に対して客観性を持つこと。一人きりの時間が長くなるとそれが非常に難しい。新生活であれば尚更だ。
これから新たな人生のスタートを切る皆さんには、どうかこの客観性を大事に過ごして頂ければと思う。