勧誘期間はとにかくサークルの勧誘員からの話を聞きまくれ
大抵の大学は、新入生達に卒業までに必要な単位の取り方や講義の受け方について、入学直後にガイダンス講義を用意している。この研修期間中と並行して、学内の各サークルは本格的に勧誘を始めることが多い。大学によっては、『サークルや体育会の勧誘期間』としっかりスケジュールに明記しているところもある。
勧誘期間中は学内を歩いていると、すぐにサークルの勧誘員たちが寄ってくる。女子大学生に対する食いつきのハンパなさは言わずもがなであるが、男子大学生でも普通にガンガン勧誘してくるからそこは安心していい。勧誘員達にはノルマが課せられていることがあるほどで、とにかく数が必要なのだ。
だが、そこでの勧誘はすぐにサークルに入れというものではない。簡単なサークル活動の概要を説明された後に、お花見や新歓コンパといったイベントへ誘われるだけである。
その場で参加の有無を確認され、回答が出席、欠席、保留、のいずれであっても、ノートに電話番号を記入、あるいはスマホの連絡先(LINE交換が多い)を教えて欲しいと言われる。ここで連絡先を教えるのを拒否すると、勧誘員達は細かい連絡が取れなくなってしまうので、どうしても嫌でなければ教えておいた方がいい。
この時に学内のサークルにどんなものがあるのかを知り、この連絡先を教える作業を出来る限り沢山やっておけば、最初の関門は申し分ない状態で突破出来たと言っても良い。ただ、勧誘員からの連絡は、教えた分に比例してかかってくることになるので、絶対に行くことがないようなサークルは、スルーしておこう。
勧誘がウザくなってきても、じっと我慢
勧誘期間中はとにかく声をかけられまくる。一日目~二日目あたりはまだ新入生達も興味を持って話を聞くが、その後はだんだんとウザくなってくる。「この間、もう説明聞きました」と嘘をついてまで勧誘を振り切ろうとする新入生もいる。
もう本当にマジでウザくなってくるが、ここはじっと我慢して少しでも興味があるサークルであれば、話を聞いておいた方がいい。新入生がウザくなってきた頃でも頑張って勧誘しているところは、真面目に活動しているサークルが比較的多いからだ。
お目当てのサークルが決まっていないなら、この勧誘の時期はとりあえず駒集めに徹するのがお勧めだ。新勧コンパ等に出席していないと、後で入りたくなっても、知っている人もおらず、すでに出来上がっている微妙な人間関係に気まずさを覚えることなる。
繰り返しになってしまうが、難易度を少しでも下げたいのであれば、沢山のサークルの勧誘員達の話を聞いて連絡先を教えておくのはとても重要だ。ウザがるのは入るサークルが完全に決まってから存分にやればよい。
新勧コンパにはできるだけ沢山参加しよう。
さぁ、勧誘が一段落すればいよいよ新勧コンパだ。おそらく出席確認のメッセージや電話がやたらめったらにかかってくることになるだろう。少々大変だが、興味があるところを中心により多くの新勧コンパに出席するようにした方が良い。
先ほど、出来るだけ駒を持てと言ったのと同じように、この新勧コンパに出席していないと、そのサークルに入るのがかなり難しくなる。出席しないと決めたサークルは基本的に駒から外す覚悟が必要だ。どの駒を残すかは慎重に判断しなければならない。
もし、興味があるサークルの新勧コンパの日程が被ってしまった場合は、志望度が少しでも高い方を優先しよう。だいたいの新勧コンパは複数日程があるので、多分問題なくどちらも参加することができるが、この時期の予定は結構狂うもので、志望度が高いところには早くいっておいた方がより確実だ。
これは大学入試に例えるなら、願書を出すような段階だと言えるかもしれない。
最初から参加が基本、遅刻はしないように
そして、いよいよ新勧コンパ当日となるわけだが、可能であれば遅刻はしない方がいい。合コンで遅れて来て許されるのは美人だけと相場が決まっているように、遅刻をすればするほど、サークルの先輩達とも同学年の新入生達とも、話すチャンスが少なくなる。
ここで知り合いを作れるかどうかが、今後のサークル選びに深く関わってくる。多少興味のない分野でも仲良く出来そうな人が多かったから、という理由でサークルを選ぶこともある。また、サークルの雰囲気やイベントの進行の仕方を一から見極めることで、自分に合ったサークルを選ぶ材料にもなる。
中には(ぶっちゃけ相当ある)おかしなサークルもあるので、やばいと思ったらその時はすぐに帰った方がいい。無理に気を使って、居残っても良いことなど一つもない。
新勧コンパでの立ち振る舞いが大勢を決する
ただ、少しでも興味が持続しそうであれば、存分に楽しもう。その際にもっとも気をつけなければいけないのが、異性にしか関心がないような行動である。サークルの先輩達もこの点は非常に注意しているし、恋愛がしたければ、サークルに入ってからいくらでもすることが出来る。同性の知り合いを作ることにとにかく集中しよう。特に男性はこの部分を厳守する必要がある。
ここでの立ち振る舞いが、そのまま新サークル員として迎えられるかどうかの大きな分岐点だ。詳しくは後述するが、人気のサークルでは希望者全員が所属出来るわけではないところもある。女性は全員OKだが、男性は面接なんていう選民意識バリバリの気取ったサークルも存在する。
新勧コンパ後は総合的な観点でサークルを絞る
どうしても譲れないラインが誰にでもある。それだけは大事にした方が良い。ただし、それは一つか多くても二つだけだ。他のどうでも良いこだわりは捨てて総合的に判断しよう。正直な話、うまく人間関係が作れるかどうかなんて分からない。せっかくサークルに入っても辞めてしまう人はかなりいる。
けれど、サークルを辞めてしまうと、新しく別のサークルに入るのは非常に厳しくなる。女性はまだ良いが、よっぽどの能力がない限り、男は鼻で笑われて門前払いだ。少しでも辞めない確率をかげるために徹底的に自己分析をしよう。
ついでに言っておくが、男子の新入生は女子大学生との扱いの差を覚悟しておいた方が良い。男女が混在しているサークルは、まず女子を抑えるのが基本中の基本だ。女がいれば、男は勝手に入ってくるという合理的な思想で運営されている。
だから、男は本当に自分自身の力量だけでサークルでの居場所を作り出さなければならない。それが出来そうなサークルなのか、そうでないかの判別がサークル選びの取捨選択の大きなポイントだ。
悩んだ時は二つの基準のどちらかに当てはまるサークルを選ぶ
さぁ、いよいよ本題だ。これで兎にも角にもあなたの大学生活の運命が決まる。絞りに絞った中から所属するサークルを決定しよう。色々思い悩んでしまうだろうが、迷ったときは二つの基準の内、どちらかに当てはまるサークルを選ぶことを強く推奨する。
テニスサークルであれば、テニス経験者といった具合に、自分が『得意な活動』であること。あるいは『ある程度の人間関係』がすでに構築されているサークルであること。この2つ基準はとても重要だ。
この二つの基準で選べば、大きな間違いは避けることが出来る。前者が基準となるのは、自分が得意としていることであれば、その活動の即戦力として先輩達に可愛がって貰いやすくなるから、というのがその理由である。
ただ、入りたいサークルでの活動内容が得意でない場合は、今更どうしようもないことなので、この基準で選べる人は結構限られている。
だが、後者については新勧コンパ後の行動でどうにかなる。気になるサークルのメンバーたちが溜まっているところに顔をだせば、大概は相手をしてくれるだろう。この所属を決めるまでの期間は先輩の彼らも異常にやさしい。
なぜなら、新入生がサークルに入ってこないと、サークル費の面でやばいことになるからだ。
要は世の中金なのである。
因みに、所属に際して面接が必要なところは、この所属前の事前活動が成否を決める場合が多い。顔を覚えられていない人は落とされ、覚えが良い新入生は合格する。不合格だと学食などで接触する度に、妙な上から目線を受けるハメになることもあるらしい。
このように、面接ありのサークルはかなりの自信がない限りとてもリスキーだ。しかしながら、所属することができれば、入っている人の顔が平均的にいい、皆遊び慣れてる等々、色々な面で得るモノ(?)は大きいと言われている。
なんやかんやで、入ってしまえば何とかなる
これまでかなり厳しめに話を進めてきたが、それなりの頻度で活動に参加さえしていれば、後のサークル内での人間関係自体は意外とどうにかなるものだ。入ってすぐはメンバーとして定着していることを先輩達のイメージに植え付けるために、積極的に参加することが望ましいものの、一旦キャラ立ちしてしまえば、後は特段努力を要することは少なくなっていく。
色恋沙汰や上下関係、そういった悩みは常に付きまとっても、時間と共に適当に風化していってしまう不思議な空気がサークルという場所では流れている。そんな場所だからこそ、最初のスタートラインだけはきちっとしたものでなければならない。
その場のノリと勢いだけで所属サークルを決めてしまうと、後々になってから大きな後悔を生む。「彼女が欲しいから」どこかのサークルに入ろうとしているのに、女性がほとんどいないサークルに入ったり、「年齢関係なく友達感覚でワイワイやりたい」のに、上下関係が厳しいサークルに入ってしまったり、本来の自分の希望とズレた選択をしてしまっては、たった一度きりの大学生活が理想とはかけ離れたものになってしまう。
そして恐ろしいのはその理想とかけ離れた状態ですら、やがて慣れが生じてきてしまうことだ。それはそれで満足出来るというのであれば何も言わないが、本当に良かったかどうかを入学当時の自分に問いかけた時、素直に「はい」と言えるだろうか?
大学生活のリアルを充実させたいのであれば、「自分で選択し、自分で考えて行動する」ことが必要不可欠になる。大学という自由な空間で、「自分がどのように過ごしていきたいのか?」という問いに答えを持った人間はリアルが充実していることが多い。
あくまでサークルに入るというのは、その答えを実現するための手段のひとつに過ぎないが、ステレオタイプの大学生活を送りたいのであれば、この正攻法にのっとって行動するのがもっともシンプルな選択だ。
便所飯だけは絶対にしたくない。そう考える新入生は、くれぐれもその選択を誤らないことだ。