エビデンス
使い方は「エビデンスがある」「エビデンスがない」等々。エビデンスの意味は根拠です。おかしなことをやっている企業はこのエビデンスがありません。だけど、その反面、エビデンスという言葉が好きな上司が沢山いる傾向にあります。会話にエビデンスが使われる時はほぼエビデンスがないか、エビデンスが明確でない時だからです。こうした会社は商品が売れるエビデンスがないことをエビデンスに、やがては崩壊していきます。
ベネフィット
塗り薬っぽいですが、塗れません。意味は利益です。やれ、「ベネフィットが足りない」だの、やれ「ベネフィットを集めろ」だのと、だいたいの企業はこの塗り薬を勧めてきます。利益と聞くとお金だけが対象の言葉に聞こえますが、顧客の喜びといった意味合いでも使用されます。繰り返しますが、風邪をひいた子供の胸に塗る塗り薬ではありません。
ビジネスモデル
大抵、相手に自慢をする時か、批判をする時に使われます。「素晴らしいビジネスモデルを構築した」や「ビジネスモデルが甘い」といった使い方をします。雑誌などのインタビューを受けた社長が使いがちな言葉ランキングでの入選率も相当高いです。大したことを言っていなくても、この言葉を使えばそれなりに聞こえてくるから不思議です。あ、忘れてました。意味は収益構造です。
ペンディング
営業マンの言い訳に良く使われます。「今回は初回訪問ということでペンディングです」というような使い方をします。意味は保留、もしくは様子見です。結局は何も結果を出していないのと一緒なので、詰めてくるタイプの上司はこの言葉を嫌います。でも、部下は上司の方がもっと嫌いなのでこの言葉を使い続けるわけです。この状況に陥ると、出世はペンディングになります。
ブレイクスル―
進歩、進化と言う意味です。「今回の会議でブレイクスルー出来た」といった使い方をしますが、だいたいのケースで本当はブレイクスルー出来ていません。そんな気がするだけです。そう言うことで自己満足に浸りたいだけのことがほとんどです。マルチ商法のリーダーなんかもこの言葉をよく使います。彼らが使う時は勧誘が成功した時を意味することが多いので、もし自分を相手にして使われた時には覚悟を決めた方が良いでしょう。
リスケ
リスケジュールの略で予定を組み直すという意味になります。使い方は「リスケして」とか「リスケしよう」とかです。用例になってない気がしますが、実際に使われる場合もこんな感じのそっけない言い回しが多いです。あと、スケジュールに問題がある場合に使われる言葉なので、これを言った相手はかなり怒っています。その時は日本語で謝りましょう。
ゼロベース
ゼロの状態から考えることです。「ゼロベースで企画を練り直そう」という風に使います。これまで築き上げてきたものは、この言葉で全て無に帰しますが、安心してください。安定志向の強い日本企業ではだいたいが現状維持に落ち着きます。つまり、それを考えていた時間の価値がゼロになるというわけです。
クロージング
最終的な決断です。営業マンであれば契約の締結がこれに当たります。クロージングが出来ないとビジネスは前に進みません。営業部の管理職達はこの言葉を連呼します。そして、営業マン達はお前らの口をクロージングしてやりたいと心の中で思うわけです。用例としては「これでこの記事はクロージングです」というように使います。はい、見事にクロージングできました。
それでは皆様、横文字の多用にはくれぐれもご注意ください。出来るっぽいサラリーマンではなく、出来るサラリーマンになるには、そこをコミットすることが大切です。