付け加えると、最近の歯医者さんは心の中では「なんでこんなになるまでほっといたんだ!」と思っていても、優しい口調で「これ以上悪化する前に、早期に対応しましょうね」というような言い回しを使うとのこと。少しでも評判が大事な時代だ。相当な外れを引かなければにまず怒られない。早期治療が大事なことだけを優しく教えてくれる。最近は教習所の教官だって、敬語を使うようになってきた時代だ。怖くない。
2.痛くて手を挙げている患者に、もう少し我慢してねとは言わない。
昔は、「痛くなったら手を挙げて下さい」と言っておきながら、実際手を挙げたら「はい、我慢してください」と言われたなんてギャグみたいな話が結構あったが、今の時代はまずそんなことは起こらない。今の歯医者さんは痛いということに関してとても敏感だ。
無痛治療を売りにしているところもある。というか、あえてアピールするまでもないほどの治療方針として定めているとことがほとんどだ。どうしても気になるようなら、行く前に歯医者さんのホームページを熟読すると、安心感が増すだろう。
先程の評判の件にも通じることだが、診察時にも痛みに関しての不安を聞きだすぐらいのことを当然にしなければ、歯医者さんは厳しい競争に生き残れなくなっている。身体的な理由で麻酔等が体に合わない等の相談も親身になって乗ってくれる。
ある若手歯科院長によれば、「激痛で急患治療を受けにきた新規の患者さんをいかにケアできるかが、経営の明暗を分ける」とのこと。というわけで痛みに対する歯科医師の意識は現在高い。ただ、万が一にも、『意識高い系』なだけの歯医者さんに当たってしまった時は、潔く撤退した方が良いだろう。
他の歯科医が治療の手を加えた歯であっても、今の歯医者さんは快く対応してくれる。さっきから、最近の歯医者さんを手放しで褒めているように聞こえるかもしれないが、そうではない。それぐらい患者を得るための競争が激しいのだ。熾烈な自然淘汰が行われているジャングルの中で生き残るために、それぞれが必死なのである。
3.予約を取れば、歯医者さんは待ち時間が少ない
事前に電話等で予約を取っておけば、5分~10分の程度の待ち時間で、すぐに診察室に通してくれる。激痛に耐えきれず当日に急患として予約をした場合は、イレギュラーな対応な場合もあるため多少待たされることもあるが、それでも昔の歯医者さんよりはずっと早い。
この待ち時間というヤツは、歯医者嫌いの人間にとって相当な恐怖心を煽る存在だ。診療所内の匂い。わずかに聞こえるドリル音。私はこれから歯を削るんだ、と想像するだけで逃げ出したくなる気持ちは良くわかる。そのため、その時間を短くすることは非常に重要だ。
なお、この待ち時間についても現役の歯医者さんに話を伺ってみたところ、「予約が詰まっている場合はとにかく時間通りに進めて、予約通りに治療を行っています。うちは特にオフィス街に診療所を構えていますので、予約通りにやれる体制を整えておかないと、会社員の方などに空いた時間に来て頂けなくなってしまいますから」とお答えを頂いた。
やはりここに関しても、競争を制するための合理的な考えが必要とされているようである。また、歯医者さん側からの切なる願いとして、「治療をキャンセルする際は出来るだけ早めに、予約治療を受ける際は時間の5分ぐらいまでには」といった趣旨のことも話していた。
少しでも患者さんに便利な形で治療を受けて頂けるように、歯医者さんも綿密なスケジュール調整をしているわけなのだから、これは当然のお願いなのではなかろうか。怖い思いを少しでも和らげたいのであれば、常識的な範囲で予約時間を守ろうぜというわけである。他の患者さんに迷惑になる点についても考慮する必要があるだろう。
今の歯医者さんは怖くない!
これら三つの理由により、最近の歯医者さんは多くの患者に来て貰うために、昔よりもずっとサービスを向上させていることがお分かり頂けただろうか?今の歯医者さんは本当に怖くない。仮に運悪く嫌なタイプの歯医者さんに当たってしまったとしても、歯科医院の数的にいくらでも代えが効くようにさえなっている(自分に合ったところを見つけるのは重要である)。怖い思いをしたからと言って、そこで途中で治療を止めてしまう必要はない。
もし、皆さんが歯に痛みをかかえているにも関わらず、歯医者に行くことを躊躇しているなら、勇気を出して予約を入れてみることをオススメする。きっと、そもそも勇気なんていらなかったということに気が付くだろう。もう本項で何度となく使ってきた言葉であるが、改めて言おう。大丈夫。歯医者さんは怖くない。今の状況であれば、怖いのはどう考えても虫歯の方である。歯医者さん選びのミスはまだ取り返しがつくが、失ってしまった歯は二度とは戻らないのだから。